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2024年10月号
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問1 正解 ⑤
公務員については、その政治的中立性に対する国民の信頼を確保する見地から、集会及び結社の自由が一部制限されているが、全面的に否定されているわけではない。
問2 正解 ①
援助の要求を行うのは、事柄の重要性から、管理機関である都道府県公安委員会とされている(警察法60条1項)。なお、援助の要求の相手方は警察庁又は他の都道府県警察とされているものの(同項)、その宛先については特に限定されていないが、通常、警察庁については長官、都道府県警察については都道府県公安委員会に対してなされることとなる。
問3 正解 ③
幇助とは正犯の実行行為を容易にすることであるから、幇助行為が、正犯による実行の着手前に行われた場合に限らず、実行行為と同時に行われた場合(実行の着手後かつ実行行為の終了前)でも幇助犯は成立し得る。
問4 正解 ④
司法警察員が逮捕状により被疑者を逮捕した場合について、その後の手続(引致)に関して刑訴法に規定はないが、事件をより適切に処理し得る立場にある司法警察員に引致することができるものと解されている。
問5 正解 ②
警察庁及び各都道府県警察が自らのウェブサイトを設けてインターネットを通じた情報提供を行うことは、直接広報活動である。間接広報活動とは、報道機関を経由するものであり、報道機関への資料提供や記者会見、番組への出演等を通じて行われるものである。
問6 正解 ③
風営法3条1項の「営業所」とは、客室のほか、専ら当該営業の用に供する調理室、クローク、廊下、洗面所、従業員の更衣室等を構成する建物その他の施設のことをいい、駐車場や庭等であっても、社会通念上当該建物と一体とみられ、専ら当該営業の用に供される施設であれば、これに含まれる。
問7 正解 ①
交番及び駐在所勤務の警らは、原則として徒歩又は自転車で行うが、例外として警察用自動車(自動二輪車、小型警ら車又は警ら用無線自動車)により行うことができるものとされている(地域警察運営規則19条2項)。
問8 正解 ⑤
窃盗犯人が盗品等を直接所持したり、自ら処分したりするとは限らず、犯人の家族など盗品等であることを知らない者が所持、処分等をすることもあるので、盗品等の所持者等を常に犯人と認定することはできない。
問9 正解 ④
道交法42条(徐行すべき場所)に規定されている場合においては、車両等は徐行しなければならず、この点につき緊急自動車に特例はない。
問10 正解 ②
ASEANは、東南アジア10か国による地域共同体であり、南アジアのインドは加盟国とはなっていない。なお、ASEANはインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5か国で発足し、その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー及びカンボジアが順次加盟した経緯がある。
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2024年9月号
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問1 正解 ③
公共の福祉による基本的人権の制約は、他の個人や社会全体の利益との調整を図るためになされるものである。この点、思想及び良心の自由は、それが内心の領域にとどまる限りは、何ら他人の権利利益と衝突するものではないため、絶対的に保障される。
問2 正解 ④
都道府県知事は、警察の運営について、都道府県公安委員会に対し、何らの権限を有していないが、委員を任免する権限は有している。すなわち、都道府県知事は、都道府県議会の同意を得て、都道府県公安委員会の委員を任命することとなっている(警察法39条1項)。
問3 正解 ②
教唆とは、未だ犯罪実行の決意を生じさせていない者に対して、その決意を生じさせることであるから、既に決意をしている者について、その決意を一層強める程度の行為は教唆には当たらず、幇助の一形態にとどまる。
問4 正解 ⑤
「誰何」(刑訴法212条2項4号)は、警察官が職務質問として行う場合が多いものの、主体に制限はないため、私人による場合であってもよい。また、必ずしも声を掛ける必要はなく、警笛を吹いて懐中電灯で照らすことも、ここでいう「誰何」に当たるものとされている(最決昭42.9.13)。
問5 正解 ①
公務能率の維持を目的として行われる不利益処分は、分限処分である。懲戒処分は、公務員関係の秩序を維持することを目的として、職員の規律違反に対し、その責任を追及して制裁を加えるものであり、制裁としての性質を有する点で分限処分とは異なる。
問6 正解 ③
少年の処遇に当たっては、その少年に対する保護の必要性の程度に応じて、個別に具体的な処遇がなされなければならない。
問7 正解 ⑤
事情聴取の相手方が被害者である児童の場合、重複する事情聴取が繰り返し行われることで、過度な心身の負担となるおそれがあるから、聴取事項や聴取方法等をよく検討した上で、事情聴取に当たることが必要である。
問8 正解 ②
交通検問時は、受傷事故防止に配意した検問場所を選定するとともに、受傷事故防止用資機材を有効に活用し、目立つ検問を行う。
問9 正解 ①
警衛に関する活動は、警察法2条の「警察の責務」を達成するために必要な任意活動として実施しているものが大半であるが、天皇及び上皇並びに皇族の御身辺の安全を確保し、歓送迎者の雑踏等による事故を防止するために、必要によっては強制活動を行う場合もある。
問10 正解 ④
再生可能エネルギーとは、自然界に常に存在するエネルギーのことであり、再生可能エネルギー源としては、法令により、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められている。この点、天然ガスは、石油や石炭と同じ化石燃料の一種である。
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2024年8月号
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問1 正解 ④
憲法14条1項後段は、人種、信条、性別、社会的身分、門地による差別を特に禁じているが、これらの事由は、差別してはならないものを例示的に列挙したにすぎないのであって、その他の事由に基づく差別も原則として禁じられている(最大判昭48.4.4)。
問2 正解 ⑤
警職法3条の保護は、あくまで救助を要すべき状態にある者について、その者を救助することを目的として行われるものであり、犯罪の捜査や予防等のために行うことは認められていない。
問3 正解 ③
事情によって、その刑を減軽することができるのは、障害未遂の場合である(任意的減免、刑法43条本文)。一方、中止未遂の場合は、その刑を必ず減軽又は免除することになっている(必要的減免、同条ただし書)。
問4 正解 ①
通常逮捕状の請求ができるのは、検察官又は司法警察員であり、警察官である司法警察員については、公安委員会が指定する警部以上の者に限られている(刑訴法199条2項)。したがって、この指定を受けていない警部補以下の者などについては、逮捕状を請求する権限が認められていない。
問5 正解 ②
被害者連絡制度は、捜査状況や被疑者の検挙状況・処分状況などについて連絡を行うものであるが、情報提供を望まない犯罪被害者等もいることから、あくまで犯罪被害者等の意向を酌んで実施されている。
問6 正解 ③
行方不明者届を受理した段階から、家族、知人等関係者に対する行方不明に至る背景等の事情聴取、目撃者の確保、防犯カメラや携帯電話等の精査等の情報収集を徹底して、それらの情報をもとに危険性等の適切な判断に努めることが必要である。
問7 正解 ②
警らは、警ら要点を全般にわたって勤務計画に従って巡行するが、警察事象の変化に伴い、地域警察幹部(宿直幹部)の指示を受けて、警らの時間、地域、方法の弾力的な変更に配意する。
問8 正解 ①
取調べに当たっては、被疑者に関する資料を検討して、その人物、性行等を把握するとともに、事件内容、証拠物等捜査資料を検討して取調べ方法を十分考慮し、取調べ環境を整備した上で行わなければならない。
問9 正解 ⑤
道交法第2章の歩行者の通行方法については、行列等の通行の場合を除き、直罰規定が設けられていない。すなわち、警察官等が違反行為をしている歩行者に対して正しい通行方法を指示したものの、この指示に従わなかった場合について罰則が設けられているにとどまる(道交法15条、121条1項7号)。
問10 正解 ④
ノーベル賞は、アルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて1901年に創設された賞であり、現在では「物理学賞」「化学賞」「生理学・医学賞」「文学賞」「平和賞」及び「経済学賞」の6部門がある。
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2024年7月号
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問1 正解 ③
自由権的基本権は、国家が個人の領域に対して権力的に介入することを排除して、個人の自由な意思決定と活動を保障する人権であり、その意味からして、「国家からの自由」ともいわれている。
問2 正解 ①
自動車検問は、その目的によっていくつかの類型に分けられ、また法的にも区別していくつかに分けられるものであり、警察の責務を達成する重要な手段として実務上広く行われているが、個別の法律に明文をもって規定されているものではない。
問3 正解 ⑤
認識した事実と発生した事実との間に構成要件的な重なり合いが認められない場合は、発生した事実について故意犯は成立しない。したがって、枝文の場合は、殺人行為について過失が認められれば過失致死罪が成立するにとどまる。
問4 正解 ②
「充分な理由」(刑訴法210条1項)とは、通常逮捕の場合に要求される「相当な理由」(刑訴法199条1項)よりも、嫌疑の程度が高度な場合である。もっとも、その嫌疑は、裁判所が有罪判決をなし得るほど、また検察官が公訴を提起し得るほどに、高度で確実な嫌疑である必要はない。
問5 正解 ④
正確な内容の文書を作成するとともに、文書を迅速に作成しなければならない。文書の作成に長時間をかけてしまうと、多くの事務を速やかに処理することができず、組織本来の活動を停滞させることになるからである。
問6 正解 ②
「好意の感情」(ストーカー規制法2条1項柱書)とは、好きな気持ち、親愛感のことであり、芸能人等に対するあこがれの念や同性間の恋愛感情もこれに該当する。
問7 正解 ①
捜査は、任意捜査の方法によることが望ましい(刑訴法197条1項、犯捜規99条)。したがって、たとえ捜査のためでも、可能な限り人の逮捕という強制手段によらずして捜査の目的を達成するようにしなければならない。
問8 正解 ⑤
交通違反を現認した場合は、違反に応じた適切な指導取締りを行うことが大切であり、軽微な違反であっても、これを見過ごすことなく指導警告を行わなければならない。
問9 正解 ③
右派系市民グループについては、自らの理想の実現を図るため、クーデターやテロその他の不法行為を許容するといった思想的背景を有しておらず、この点からしても既存の右翼団体とは区別されている。
問10 正解 ④
アウトソーシングとは、社内の業務の一部を外部に委託することをいう。自社に不足している人材やサービスを外部から調達することで、企業の生産性向上や競争力強化を図るものである。枝文は、対義語である「インソーシング」の意味・定義であり、注意を要する。
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2024年6月号
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問1 正解 ②
外国人に対しては、入国の自由は保障されていない(最大判昭53.10.4)。なお、外国人に対して入国の自由が保障されていないことは、今日の国際慣習法上、当然のこととされている。
問2 正解 ③
人に危害を与える態様による武器の使用は、使用要件に加えて、正当防衛、緊急避難、凶悪犯罪の犯人の逮捕等、又は逮捕状による逮捕等のいずれかの場合に該当しなければ、これを行うことができない(警職法7条)。
問3 正解 ④
正当防衛が成立するためには、急迫不正の侵害がなければならないが、ここでいう不正とは、違法を意味するので、正当行為、正当防衛行為、緊急避難行為などの適法な侵害に対して防衛行為を行っても、正当防衛の成立は認められない(大判昭8.9.27)。
問4 正解 ⑤
逮捕の実質的要件は十分に備わっているものの、単に逮捕の種別を誤ったような場合には、被疑者を一旦釈放した上で、再逮捕すべき合理的理由があれば逮捕状により再逮捕することができる。
問5 正解 ①
面会や差入れに関する事務は、留置管理業務に当たることから、捜査と留置の分離に基づき、捜査員が行ってはならず、面会や差入れの申出を捜査員が受けた場合は、これを確実に留置担当官に引き継がなければならない。
問6 正解 ①
防犯活動については、街頭における警戒活動等の警察が主体となった取組と地域住民等による自主防犯パトロール、自治体による安全安心まちづくりの推進等の関係機関・団体等が主体となった取組を有機的に組み合わせて推進していかなければならない。
問7 正解 ②
カッターナイフ、はさみ、千枚通しなど、凶器として使用されるおそれのある物件については、机上に置いたままにしてはならない。
問8 正解 ⑤
急訴事案の届出を受理した警察官は、まずはそれがどのような事案であるかを把握する必要があることから、事案の内容や発生場所など、事案の概要を把握できる必要最小限の事項について、届出人から迅速に聴取する。
問9 正解 ④
道路標示とは、道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう(道交法2条1項16号)。線や記号にとどまらず、文字も含まれることに注意を要する。なお、道路標示については、その効用が損なわれることのないよう各種点検を適時行い、その記録を確実に行った上で、適切なタイミングで補修等を行う。
問10 正解 ③
OPEC(石油輸出国機構)は、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラが1960年9月14日に設立し、2024年3月末現在は、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国を加えた12か国が加盟している。
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2024年5月号
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問1 正解 ①
憲法1条は、天皇の地位について、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定めている。なお、明治憲法下の天皇は、「統治権の総攬者」であった。
問2 正解 ③
警職法6条1項における「危険な事態」は、「前2条に規定する」とあるように、同法4条及び5条に規定する事態をいうところ、これが認められるためには、人の生命等に対する危害や犯罪の発生する具体的な危険があることが必要とされ、一般的・抽象的な危険があるだけでは足りない。
問3 正解 ②
危難にさらされている法益については、刑法37条1項が列挙する「生命、身体、自由又は財産」に必ずしも限定されておらず、貞操又は名誉、国家的法益や社会的法益などもこれに含まれると解されている。
問4 正解 ⑤
逮捕状の緊急執行に当たっては、できる限り速やかに逮捕状を被疑者に示さなければならず、遅くとも勾留請求の時までに逮捕状を提示しなければならない(刑訴法201条・73条3項)。
問5 正解 ④
一般職に属する全ての地方公務員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、その職を退いた後も同様である(地公法34条1項)。
問6 正解 ④
犯行に使用された口座や携帯電話については、利用停止等を依頼し、犯行ツールを遮断するための措置を速やかに講じなければならない。なお、特殊詐欺に関しては、日々犯行の手口が巧妙化しているということを看過してはならない。
問7 正解 ③
立証三原則とは、立会人の確保、写真撮影、関係記録への明示のことをいう。なお、立会人の資格・要件として挙げられるのは、○立会いの趣旨が理解でき、証言能力を有する者、○警察職員以外の第三者、○事件に関する容疑性のない者、○資料の存在状態等を確認できる者、である。
問8 正解 ②
交通情報の提供に係る事務については、一定の条件を満たす法人に委託することができるものとされており(道交法109条の2第2項、同法施行規則38条の7第2項)、現在、全ての都道府県公安委員会において、当該事務の一部を、公益財団法人日本道路交通情報センターに委託している。
問9 正解 ⑤
主流派である「Aleph(アレフ)」は、麻原彰晃こと松本智津夫への絶対的帰依を強調しており、たとえ団体の存続のためであっても、「松本隠し」は許されないと主張している。そのため、松本の影響力の払拭を装う路線を唱える上祐派(ひかりの輪)との間で意見対立が激化し、その結果、内部分裂が生じたという経緯がある。
問10 正解 ①
最高裁判所は、最終審、最上級の裁判所として、東京都のみに設置されている。
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2024年4月号
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問1 正解 ②
我が国における国民主権の実現方法としては、国民が代表を選任し、その代表を通じて国家の意思を決定するという間接民主制が採用されているほか、憲法改正の国民投票等の一部について直接民主制が採用されている。
問2 正解 ⑤
警告(警職法5条)は、あくまで任意活動であるから、注意や説得の範囲を超えて実質的な強制にわたるようなものとなってはならず、拳銃を構えることは、相手方の意思を制圧するものであるため許されない。
問3 正解 ④
枝文の行為は、行為者が注意すれば結果発生を避けることができたにもかかわらず、自己を一時的な心神喪失の状態に陥らせて、その状態の下で構成要件に該当する結果を実現させたものとみるべきであるから、その行為者について責任を認め得ることとなる(最大判昭26.1.17)。
問4 正解 ①
現行犯人は、何人でも逮捕状なくして逮捕することができ、私人に対しても逮捕権が認められている(刑訴法213条)。
問5 正解 ③
停職は、分限処分ではなく、懲戒処分の一つである。なお、停職とは、一定の期間、職員としての身分を保有させたまま職務に従事させないものをいい、処分の内容は分限処分の休職と同じであるが、処分の目的が異なるなどの相違点がある。
問6 正解 ②
警察が認知した段階では、事案の危険性・緊急性を正確に把握することは困難である一方、事態が急展開して重大事件に発展するおそれがある。そのため、児童虐待を人身安全関連事案の一類型として、児童相談所等と緊密な連携を図りつつ、児童の安全確保を最優先に、迅速的確かつ組織的な対応を徹底する必要がある。
問7 正解 ①
立番は、最も効果的に警戒ができる場所で行い、必ずしも1か所に固定する必要はなく、降雨雪等で気象条件の悪いときは、所内立番に代えることもできる。
問8 正解 ⑤
現場観察には特に回数制限が設けられておらず、反復して綿密に実施することが大切である。実際のところ、1回の現場観察で発見できなくても、反復することによって有力な捜査資料が発見されることも少なくない。
問9 正解 ④
警察官等の手信号、灯火による交通整理は、臨機応変にできる柔軟性がある反面、交通整理の技術には個人差があり、長時間又は夜間、雨天等の際の交通整理が困難であるなど、一長一短がある。
問10 正解 ③
つくば市は中核市ではないが、中核市への移行を検討している(本年1月末時点)。中核市制度とは、政令指定都市以外で人口20万人以上の要件を満たす規模や能力などが比較的大きな都市の事務権限を強化し、できる限り住民の身近なところで行政を行うことができるようにした都市制度である。
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2024年3月号
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問1 正解 ④
憲法38条3項は補強法則について規定しており、証拠能力が認められる自白があっても、これを補強する他の証拠(補強証拠)がなければ、その自白だけで有罪とすることはできないとしている。
問2 正解 ⑤
警職法4条に基づく警告は任意活動にすぎず、相手方は、適法な警告について受忍義務があるのは格別、これに従う法的義務を負うものではない。
問3 正解 ②
判例は、被害者が極めて軽微な外因によって死亡する可能性のある心臓疾患を患っているという特殊事情があり、かつ強盗犯人が犯行時にそれを知らなかったとしても、犯人の暴行と特殊事情が相まって致死の結果を発生させたものと認められるとして、因果関係を肯定している(最判昭46.6.17)。
問4 正解 ①
通常逮捕状の請求権者は、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の司法警察員に限られている(犯捜規119条1項)。なお、この請求は、少年事件は別論、請求権者の所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官に行うのが原則である(刑訴規則299条)。
問5 正解 ③
警察は、女性警察官の採用に積極的に取り組んでいる。毎年度1,000人を超える女性警察官を採用しており、女性警察官は年々増加している。
問6 正解 ②
サイバー犯罪は、犯罪の痕跡が残りにくい。被疑者を追跡する手掛かりとなるIPアドレス等の通信記録の保存期間は、大手のプロバイダ等でも通常、数か月であり、捜査時には既に消去されている場合もある。また、小規模経営のウェブサイト等では、そもそも記録が保存されないことや、場合によっては記録が改ざんされていることもあり、そのようなケースでは被疑者の特定が極めて困難となる。
問7 正解 ⑤
現場に臨場する途中においても、不審者の発見や職務質問の励行等に配意しなければならない。なお、現場において犯行が継続されている場合には、直ちに犯人を制圧・逮捕しなければならない。
問8 正解 ①
運転免許の効力は運転免許試験に合格しただけでは発生せず、運転免許証の交付があったときに初めてその効力が発生する(道交法92条1項)。ここでいう「交付」とは、現実に授受されることをいう。
問9 正解 ③
二段階革命とは、日本共産党が、社会主義・共産主義の社会の実現のために目指す革命の形態である。日本共産党は、まず民主主義革命を行い、その後、社会主義革命を行うことで、社会主義・共産主義社会の実現を目指すとしている。
問10 正解 ④
得撫(うるっぷ)島は、北方四島には当たらない。択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島からなる北方四島は、一度も他国の領土となったことがない日本固有の領土であるが、ソ連・ロシアによる不法占拠が続いている。
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2024年2月号
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問1 正解 ②
判例によれば、審理の遅延により被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合について、憲法37条に基づいて審理を打ち切るという非常救済手段をとることが認められている(最大判昭47.12.20)。
問2 正解 ①
警職法2条2項の任意同行は、専ら職務質問を継続することを目的として行われるべきものであり、相手方を取り調べたり、逮捕したりすることを目的として行ってはならないとされている。
問3 正解 ④
知人が川で溺れているのをたまたま見つけたという場合、当該知人を救助すべき法律上の義務を負わないため、作為義務は発生せず、不真正不作為犯は成立しない。
問4 正解 ③
刑訴法198条1項は、身柄不拘束の被疑者について、出頭を拒み、又は出頭しても取調べを拒否していつでも退去することができることを保障している。
問5 正解 ⑤
リカバリー教養は、失敗及び対処に関する経験・知識が乏しく、対処に不慣れな若手職員だけでなく、誤った経験則・知識に基づいて対処する可能性や慣れにより適切な対処を怠る可能性が考えられる中高年等のベテラン職員も対象となる。
問6 正解 ①
「配偶者からの暴力」には、身体に対する暴力のみならず、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれる(DV防止法1条1項)。
問7 正解 ②
相談事案を迅速かつ適切に解決することが求められているため、相談を受理するに当たっては、自らの推測に基づいて急いで結論を出すことはせずに、まずは相談者の話に耳を傾け、その後必要な質問をして、内容、要望等を正確に把握すべきである。
問8 正解 ③
自首事件は告訴事件と同様、司法巡査が受理することはできず、司法巡査は、自首する者があった場合には、直ちに司法警察員に移すことを要する(犯捜規63条2項)。なお、自首する者があったときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず司法警察員はこれを受理しなければならない(同条1項)。
問9 正解 ④
運転免許は、第一種免許、第二種免許、及び仮免許の3つに区分される(道交法84条2項)。そして、仮免許には、大型自動車仮免許、中型自動車仮免許、準中型自動車仮免許、及び普通自動車仮免許の4種類がある(同条5項)。
問10 正解 ⑤
平成13年1月の中央省庁再編により、文部省と科学技術庁が統合し、文部科学省が設置された。縦割り行政による弊害をなくすこと、内閣機能の強化、事務及び事業の減量、効率化等を理由として中央省庁再編が実施され、再編当時は1府22省庁から1府12省庁となった。なお、国土交通省は、運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁の4省庁を統合して設置されたものである。
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2024年1月号
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問1 正解 ③
同一の事件において、同じ場所で、同時に捜索と差押えを併せて行う場合、捜索差押許可状という1通の令状によることは、憲法35条2項の趣旨に反しない(最大判27.3.19)。
問2 正解 ②
警職法2条4項にいう「逮捕」とは、その趣旨から考えて、刑事訴訟に関する法律に基づく身柄の拘束全てを意味することから、勾引状、勾留状等の執行を受けた者も同項の凶器捜検の対象となる。
問3 正解 ①
刑罰法規は、原則として、日本国内において罪を犯した全ての者及び日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者につき、その被疑者の国籍を問わず適用されることとなる(刑法1条)。これを「属地主義」という。
問4 正解 ⑤
取調べが相当期間中断した後再びこれを開始する場合、又は取調べ警察官が交代した場合には、改めて供述拒否権を告知しなければならない(犯捜規169条2項)。
問5 正解 ④
懲戒処分の指針においては、規律違反行為の態様と基本となる懲戒処分の種類に関する組合せが定められている。この点、規律違反行為の一態様である「公共の乗り物等において痴漢をすること」は、基本となる懲戒処分の種類として、「停職又は減給」が定められている。
問6 正解 ③
地域住民に対し、性犯罪、ひったくり、児童を対象とした連れ去り事案や声掛け事案など、女性・子供が被害者となる事案の発生に関する情報について、交番・駐在所広報紙、都道府県警察のウェブサイト、電子メール等による情報発信活動を実施する。
問7 正解 ②
被害の届出に対しては、被害者・国民の立場に立って対応し、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除いて、即時受理しなければならない。
問8 正解 ①
交通安全の意識や行動は、一朝一夕に身につけて習慣化させることが困難であるから、人間の成長過程に合わせて、生涯にわたり学習を促していく必要がある。そこで、交通安全教育指針では、幼児、児童、中学生、高校生、成人及び高齢者の各年齢層に応じた交通安全教育の内容、方法等を明示し、交通安全教育の体系化を図っている。
問9 正解 ④
中核派の正式名称は、革命的共産主義者同盟全国委員会であり、昭和38年2月に革マル派と分裂して結成された。なお、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派は、革マル派の正式名称である。
問10 正解 ⑤
ブラジル連邦共和国の首都はブラジリアである。かつてはリオデジャネイロが首都であったが、1960年(昭和35年)にブラジリアに遷都された。
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2023年12月号
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問1 正解 ②
身体の一時的な拘束を「抑留」といい、「拘禁」とは、より継続的な身体の拘束をいう。具体例としては、刑訴法の定める逮捕・勾引に伴う留置は抑留に当たり、勾留及び鑑定留置は拘禁に当たる。
問2 正解 ①
「何らかの犯罪」とは、一応何らかの犯罪に当たるものであれば足り、具体的な犯罪事実が特定されている必要はない。
問3 正解 ③
傷害を生じさせる方法としては、通常、暴行が用いられるが、暴行以外の無形的方法による傷害もあり得るところ、暴行によらない性行為によって性病を感染させた場合には傷害罪が成立することとなる(最判昭27.6.6)。
問4 正解 ④
一般的指示権は、「司法警察職員捜査書類基本書式例」についての検事総長による一般的指示や、微罪事件の送致の特例についての各検事正による一般的指示があるが、これらの指示の相手方として、個々の司法警察職員を対象とすることは許されない。
問5 正解 ⑤
警察名誉章という表彰はない。なお、警察表彰の種類については、警察表彰規則2条において具体的に定められている。
問6 正解 ③
「所持」(ピッキング防止法3条)とは、ある人が物を事実上支配していると認められる状態にあることをいい、現実にその物を携帯している必要はなく、家屋内に保管し、又は使用人をして保管させていても、その物が事実上その人の支配下にあれば、これに当たることとなる。
問7 正解 ②
地域警察は、地域社会や住民との間で良好な関係を構築し、その信頼関係の下に、地域社会と連携・協働して犯罪を防止することを、基本的な考え方として採用している。この考え方は、「Community Policing(コミュニティ・ポリシング)」といった名称で、諸外国にも導入されている。
問8 正解 ⑤
犯罪が発生するまでには、色々な兆候がある。それを先に知っていれば、事件発生を防止することができるし、また発生後の捜査活動も迅速的確に行うことができる。したがって、情報を入手したときは、緊急度に応じて、時機を失しないよう速やかに口頭又は書面によって報告しなければならない。
問9 正解 ①
重大な交通事故事件の被害者及びその家族又は遺族は、被害者連絡制度の連絡対象者となるが、ここでいう重大な交通事故事件とは、死亡ひき逃げ事件、ひき逃げ事件、車両等の交通による人の死亡があった事故及び人が全治3か月以上の傷害を負った事故、危険運転致死傷罪等に該当する事件をいう。
問10 正解 ④
平野とは、起伏がほとんどなく、平坦な低地の広がる土地をいう。十勝平野は、北海道南東部に位置し、東西約60km、南北約100kmに及び、北海道では石狩平野に次ぐ大平野である。また、西は日高山脈と十勝火山群、北は石狩山地、東は白糠丘陵に囲まれている。
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2023年11月号
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問1 正解 ④
憲法33条にいう「現行犯」とは、現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者及びこれに準ずる者をいい、刑訴法212条2項の準現行犯も、ここでいう「現行犯」に当たるものと解されている。
問2 正解 ①
所持品検査については、警職法の中に明文規定は設けられていないが、警職法2条1項による職務質問に付随して行うことができるものと解されている(最判昭53.6.20)。
問3 正解 ⑤
暴行罪の成立に当たっては、傷害を惹起させる危険性は不要である。すなわち、怪我をさせる危険性がなくても、人の身体に向けた不法な有形力の行使が行われれば足り、例えば毛髪を切断するにとどまる行為であっても、本罪における暴行が行われたこととなる(大判明45.6.20)。
問4 正解 ③
任意同行後、被疑者から退去したい旨の意思表示があった場合には、実力をもってそれを阻止することはできないが、取調べに応じるよう説得することはできる。なお、その際に肩を軽く押さえる程度の有形力を行使しても、それが直ちに違法な職務執行になるわけではない(最決昭51.3.16)。
問5 正解 ②
警察職員は、警察の任務が国民から負託されたものであることを自覚し、国民の信頼に応えることができるよう、職務倫理の基本に示されている高い倫理観の涵養に努め、職務倫理を保持しなければならない。
問6 正解 ①
生活安全警察は、行政活動の比重が高いという特徴がある。具体的な行政活動としては、防犯活動、少年非行防止活動、風俗環境浄化活動等の諸活動に加え、警備業、風俗営業、古物営業等の指導監督等がある。また、生活経済事犯の取締りにおいて消費者保護の観点が必要とされるように、犯罪の取締りに当たっても、被害拡大の防止を図るための行政的な措置が要請される。
問7 正解 ③
贈収賄事件は、他の犯罪に比べて潜在性が強い。この点、端緒情報は、投書や相談により把握できる場合もあるが、被害者からの申告は想定されないため、警察官の積極的な情報収集活動によって把握しなければならない。
問8 正解 ⑤
指導警告に従わず違反行為を継続したり、違反行為により通行車両や歩行者に具体的な危険を生じさせたりするなどの自転車利用者による交通違反に対しては、交通切符を活用した検挙措置を講じていく。
問9 正解 ②
警備犯罪は、自己の主義主張が正しいと確信する者によって行われる場合が多いため、被疑者に罪悪を犯したという「罪の意識」が乏しいのが一般的である。こうした傾向は、自らの主義主張についての信念が強く、計画的・組織的な犯行に及ぶ被疑者において特に著しいものとされている。
問10 正解 ④
他山之石(たざんのいし)は、「他人の様を反省材料にする」ことである。